PLCnext Edge Gateway によるクラウド接続 [1/4:インストール編]

PLCnext Edge Gatewayアプリケーションは、PLCnext コントローラからクラウドへプログラミング無しで簡単にデータをアップロードできる、フリーの IIoT エッジコンピューティングソリューションです。

現時点 (2023年4月現在) ではまだ送信データの形式等が限られていますが、PLCnext コントローラによるクラウド通信を気軽に試すことができます。

PLCnext Edge Gateway の特徴
  1. 様々な信号タイプと産業用プロトコルに対応しており、多くのデバイスやセンサーからデータを収集可能です。
  2. 収集したデータへの前処理として、スケーリングや倍率設定の他、多項式も使うことが可能です。
  3. 対応しているクラウドプロバイダや産業用ネットワーク、及び他の PLCnext Edge Gateway デバイスへデータを直接送信することができます。
対応しているクラウドサービス対応している産業用プロトコル対応している PLCnext コントローラ
AWS IoT Hub
Azure IoT Core
Google Cloud Iot Core
Proficloud
DSA
Modbus
EthernetIP
Sparkplug beta
AXC F 1152
AXC F 2152

※Google Cloud IoT Core サービスは 2023 年 8 月 16 日に Google により廃止されます。

このシリーズでは、何回かに分けて PLCnext Edge Gateway を用いた PLCnext によるクラウド接続の手順を紹介します。
今回は、PLCnext Edge Gateway を AXC F 2152 へインストールする手順の紹介です。

「PLCnext Edge Gateway によるクラウド接続」記事の構成
1/4:インストール編

PLCnext Edge Gateway のインストールを行います。

2/4: データ送信 – Azure IoT Hub

デバイスから収集したデータを Azure IoT Hub へ MQTT で送信します。

3/4:データ演算編 [制作中]

デバイスから収集したデータに対して演算を行うことができます。

4/4:データ送信 – AWS Iot Core, Proficloud 編 [制作中]

AWS や Proficloud にもデータを送信できます。

目次

PLCnext Edge Gateway のインストール

PLCnext Edge Gateway Docs > Getting Started にも、インストールについて英語の記事があります。

PLCnext Edge Gateway をインストールするには、Windows PC と PLCnext 2152 もしくは 1152 コントローラが必要です。PC と PLCnext コントローラはイーサネットケーブルで接続されていて、お互いに通信可能な IP アドレスが設定されている事を前提とします。

もし PLCnext コントローラの IP アドレスがわからない場合は、「IP アドレスが分からなくなったとき」の手順で調べることができます。

項目
Windows PC の IP アドレス192.168.1.xxx (xxx は任意)
PLCnext コントローラの IP アドレス192.168.1.10 (デフォルト)
前提条件

まず、Windows PC へ「PLCnext Edge 配置用 デスクトップ アプリケーション」をインストールし、そのアプリケーションを実行することで PLCnext コントローラに PLCnext Edge Gateway がインストールされる、という手順になります。

STEP
PLCnext Edge 配置用 デスクトップアプリを Windows PC へインストール

PLCnext Edge Gatesway の Getting Started サイトをブラウザで開き、インストーラをダウンロードしてください。

ダウンロードしたインストーラを実行すると下図のようにウイザードが表示されるので、デフォルトのままインストールを進めてください。(必要であれば、インストール先フォルダ等を変更してください。)

左の様な表示になったら、「Axiocontrol IP Address」へ PLCnext コントローラの IP アドレスを入力し、「Admin Password」には PLCnext コントローラ本体表面に書かれた 8 桁の英数字を入力して、Next ボタンをクリックして下さい。

もし接続に失敗するようなら、IP アドレス及びパスワードが正しく入力されているか確認してください。また、PC と PLCnext コントローラが通信できているかどうか、Windows のコマンドプロンプトから以下の様にして必ず確認してください。
ping 192.168.1.10
もしこれに失敗するようなら、Windows PC の IP アドレスが static であることと、PLCnext コントローラと同じネットワーク上に存在しているかどうかを確認してください。

STEP
PLCnext Edge Gateway を PLCnext コントローラへインストール

上記のような画面になったら接続は成功です。引き続き、PLCnext Edge Gateway を PLCnext コントローラへインストールします。「Install via Web」ボタンをクリックしてください。

自動的にインストールが進んでいきますが多少時間がかかります。
特に「Downloading latest version」の項目では 170 MByte 近いファイルのダウンロードを行うため、ご使用の通信環境によってはかなり時間がかかります。
そのままお待ちください。

インストールが終わると、「PLCnext Edge successfully installed!」と表示されます。

「Open in Browser」ボタンをクリックしてください。
ブラウザが開かれ、PLCnext コントローラ上の PLCnext Edge Gateway のページが表示されます。

PLCnext Edge Gateway 管理ページの起動

ここまでで「PLCnext Edge 配置用デスクトップアプリ」の役割は終了です。ダイアログを閉じて構いません。

次回から PLCnext Edge Gateway へアクセスする際には、ブラウザで直接
https://192.168.1.10/edge/
へアクセスして下さい。

PLCnext Edge Gateway へアクセスするとブラウザはしばらく以下の様な画面になります。

PLCnext Edge Gateway 管理画面起動中

その後、初回起動時は以下の様にパスワードの設定ダイアログが表示されます。PLCnext Edge Gateway 用にパスワードを用意し、設定してください。

なお、二回目以降のアクセスや重要な設定項目の変更時には、左記のようにパスワードの入力を求められるので、上記で設定したパスワードを入力してください。

以上で PLCnext Edge Gateway のインストールとログインの手続は終了です。
次回は MQTT を用いて Azure IoT Hub へデータをアップロードする方法を紹介します。

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